コラム
骨質を測ってみましょう!

骨粗鬆症の評価として骨密度測定があります。(骨密度測定についてはこちらをご参照ください)
骨粗鬆症の発見や治療方針の決定、治療効果の判定など非常に重要な意味を持つ検査です。
しかしながら圧迫骨折などの骨脆弱性骨折(リンク)を発症した方でも骨密度を測定するとまったく低くないことがあります。
これはなぜでしょうか?
一つには骨密度測定の際に起こる機械的なエラーです。
過去に骨折をしたり、関節軟骨がすり減って変形をおこしたりしていると骨が局所的に硬くなってしまい、これが骨密度測定に影響して高くでてしまう場合があります。
また、測定する骨と重なって映る大動脈の石灰化などの病巣をひろってしまい、骨密度が高くなってしまう場合があります。
しかしながらこういった機械的なエラーが認められないのに骨折を起こしてしまう人がいるのです。
それは「骨質」の低下が原因と考えられます。
骨質ってなんでしょう?
一般に骨強度(こつきょうど=骨の強さ)は骨密度と骨質から決まるといわれています。
これはちょうど鉄筋コンクリートにたとえられます。(骨粗鬆症についてくわしくはこちら)
鉄筋コンクリートのコンクリートに当たる部分が骨密度です。そして鉄筋に相当するのが骨質です。
想像してみてください。
いくらコンクリートが分厚くても、なかの鉄筋がぼろぼろだったら…あまり強度が高くないですね。
同じように骨密度が高くても骨質が悪いと骨折が起こりやすいということになるのです。
従来骨質は測定が困難とされていました。しかし骨密度測定の画像に特殊な処理をすることで骨質を評価することが可能になりました。
当院では通常の骨密度測定のさい、この骨質の評価も同時に行います。
特に追加でかかる費用はありません。
骨密度は正常といわれたけど心配…という方にもぜひおすすめします。