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頚髄損傷について 頚髄損傷についてのイラスト

頚髄損傷とは

ラグビー、柔道、レスリングなどのいわゆるコンタクトスポーツや、プールに飛び込んだ際に底に頭をぶつけた際などに起こります。
頚髄損傷
首の構造について詳しくは首の痛みー首の構造をご覧ください

頸椎が骨折すると頸椎損傷(けいついそんしょう)、頚髄という神経に傷がつくと頚髄損傷(けいずいそんしょう)といいます。
軽い損傷の場合には手足がしびれる程度ですが、強く損傷すると手足が動かなくなるような四肢麻痺を起こします
受傷時に手足にしびれがあったり、動かしにくい症状があったりする場合には脊髄損傷の可能性があります
無理に起こしたり動かしたりせず、しっかり頸部から体幹を固定した状態で早急に病院へ搬送する必要があります。
末梢神経と違い、中枢神経は基本的にいったん損傷してしまうと回復することはありません。
初期の状態で損傷を悪化させないことが非常に大切です。

頚髄損傷を疑う重要なサイン

☐意識ははっきりしている
☐手指や肘、肩が動かない(頭を固定した状態で慎重に確認してください)
☐両上肢、胸部、腹部をつねっても痛みを感じない
☐胸式呼吸ではなく腹式呼吸になっている(呼吸の際、胸が動かず、腹だけが動いている)

上記のような症状があれば第4頸椎付近の脊髄損傷の可能性が高いです。
無理に首を動かして悪化すると呼吸麻痺を起こすことがありますので絶対に首を動かしてはいけません
周りに人がいない場合は無理に動かそうとせず、人を集めるか、救急隊が到着するのを待ってください。
ある程度人手がそろっている場合には 頭を固定する人、体を持つ人をしっかりわけて担架などを使って安全な場所へ移動し救急隊の到着を待ってください。
頚髄損傷時の搬送

症状

四肢の神経には大きく分けて運動神経知覚神経があります。
運動神経を完全損傷すると四肢や体幹を動かすことができなくなります
知覚神経を完全損傷すると痛みを感じなくなったり、熱い・冷たいといった温度を感じることができなくなったり、深部感覚といって自分の四肢がどこにあるかという位置を感じる感覚がなくなったりします。
また、内臓神経の障害として尿意や便意を感じられなくなる直腸膀胱障害や、横隔神経麻痺による呼吸障害内臓機能の障害などがおこります。

受傷後の経過

重度の脊髄損傷によって損傷をうけた脊髄神経以下のすべての脊髄反射が消失した状態を脊髄ショックといいます。
この時期は運動神経、知覚神経、自律神経などすべての反射が消失するため、血圧が下がったり、腸が麻痺して動かなくなる「麻痺性イレウス」という状態を起こしたりします。
この状態は一般に72時間以内に離脱するとされています。
脊髄ショックから離脱した後にも肛門周囲の感覚がなかったり、肛門を締める肛門括約筋の収縮が見られない場合には完全麻痺と診断されます。
一方、感覚や運動の機能が部分的に残っている場合は不全麻痺と診断されます。

重症度の評価にはFrankel分類という分類が広く用いられます。
(A)感覚、運動ともに完全麻痺
(B)感覚はある程度温存されているが、運動は完全麻痺
(C)運動機能はあるが、実際には役に立たない
(D)有用な運動機能が温存されており、補助歩行ないし独歩が可能
(E)感覚、運動ともに性状。異常反射は残っていてもよい。

治療

急性期治療としては
1まず搬送時に二次的な損傷を起こさないように十分に注意をすることが大切です。
2病院搬送後は脊髄ショックの状態に対して
 気道確保、呼吸管理、血液循環状態の管理が重要となります。
3神経保護の目的にステロイドの大量投与を行う場合がありますが、副作用が多いため、その効果については賛否両論です。
4外科的な処置
 脊椎損傷を伴っている場合には脊椎の修復や脊髄の除圧、脊柱の固定などを行います

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©医療法人幸鷺会

文責・監修森 敦幸

(整形外科専門医・日本スポーツ協会公認ドクター)

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