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再生医療、PRPについて 再生医療についてのイラスト

目次
第3の治療方法「再生医療」
再生医療の分類
整形外科で行う再生医療、PRP療法
血小板の働き
PRPの作用機序
PRP療法をお勧めする症状
PRP療法の効果が期待できる方
PRP療法についての注意
PRP療法、実際の流れ
PRP療法についてよくあるご質問
診療にかかる費用についての目安

本治療にかかる費用は以下の通りです。なお費用は、治療に伴う診察、PRP作製のための採血にかかる費用、PRP作製費用、注入にかかる費用の総額になります。

左右両側に投与する場合は2回分の費用がかかります。

PRP1回(1部位)  38000円(税込)

PRP療法にかかる費用について この治療はすべて自費診療であり、健康保険を使用することはできません。

第3の治療方法「再生医療」

再生医療
第1の治療方法が保存的治療。これは薬の内服や注射、リハビリなど、皮膚を切らない治療法を指します。
第2の治療方法が手術治療
手術治療には様々なものがありますが、大きく皮膚を切る手術以外にも、最近盛んになっている関節鏡や腹腔鏡を利用した手術など、小さな切開で行うものもこれに含まれます。
これまでは1か2か、という選択しかありませんでしたが、第3の治療方法として最近注目されているのが「再生医療」です。

再生医療の分類

再生医療の申請

再生医療、と聞くとなにやら身体を再生するような魔法の医療を想像するかもしれません。
イメージしやすいのは細胞を培養して人工の臓器を作るようなものだと思います。
確かにこれも再生医療の一種ではありますが、実際の定義としては「機能障害や機能不全に陥ってしまった身体の組織や臓器に対して、細胞や人工的な材料を積極的に利用し、損なわれた機能の再生を図る」ものです。
日本でも法整備が進み、新しい医療を推進する体制が整ってきています。

再生医療の分類について
再生医療はその安全性のリスクから3種に分類されています。
第一種は ES細胞やiPS細胞、他人の幹細胞(分裂のもととなる細胞)などを利用するもので、これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、まだまだリスクが高く想定されるものです。
 一般的の方がまず思い浮かべるのはこの第一種だと思います。

第二種は 患者さん自身の体性幹細胞などを利用するもので、すでに人に実施された実績があり、中等度のリスクが見込まれるものです。患者さん自身から採取した血液を加工して関節の中に投与する場合もこれに当たります。 

第三種は 加工を施した体性細胞など、もともと細胞が持っている機能を利用するもので、大きな操作を加えないため、リスクは想定されないものです。
患者さんの血液を加工して筋肉や腱など関節外に投与する場合はこれに当たります。

整形外科で行う再生医療、PRP療法


PRP療法とは患者さん自身の血液を採取し、特定の成分のみを抽出して患部に投与する方法です。
PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)の略で、血液の中から血小板を多く含む成分を抽出して、関節の中や、筋肉、腱(筋肉が骨にくっつくところ)、靭帯(骨と骨をつなぐ組織)に投与します。

血小板の働き

血小板の働き
血小板(けっしょうばん)とは、血液の中に含まれる成分のひとつです。
血小板は血管に傷がいた際に、その傷をふさぐように張り付いて止血します。
その後活性化した血小板が成長因子VEGF(血管内皮細胞増殖因子)=血管の壁の修復を促します、PDGF(血小板由来増殖因子)=血管を動かす筋肉などを増殖します、FGF(線維芽細胞増殖因子)=結合組織を構成する線維芽細胞を増殖します、TGF-β=ほとんど全ての細胞で賛成される細胞増殖にかかわるもの など)という物質を放出します。
この血小板の放出する成長因子を傷ついた組織の修復などに役立てるものがPRP療法です。

PRPの作用機序


PRPにより期待できる効果は主に次の4つです。
1 主に滑膜(かつまく)という関節液(潤滑油にあたるものです。軟骨の栄養にも大きく関与しています)を作る組織で起こっている炎症を抑える、抗炎症作用
2 滑膜でのヒアルロン酸産生を促す、ヒアルロン酸産生促進作用
3 傷ついた軟骨を修復する(軟骨そのものが再生するわけではありません)、軟骨修復作用
4 軟骨をささえる軟骨下骨(なんこつかこつ)の代謝を改善する、骨芽細胞代謝改善作用
これらのはたらきにより筋肉や腱、靭帯の損傷を修復したり、炎症による痛みを軽減したりする効果が期待されます。

PRP療法をお勧めする症状

症状としては
□膝に長期間ヒアルロン酸の注射をうけているがよくならない
□関節に何度も水がたまる症状が続いている
□人工関節をすすめられたができれば手術を避けたい
□筋肉や靭帯の炎症がなかなか治らない
□スポーツで負った筋肉や靭帯の損傷を早く治したい
□関節の変形はそれほど強くないが痛みが続いている
□再生医療をうけてみたい
□手術による治療に抵抗を感じる

PRP療法の効果が期待できる方

変形性関節症の場合
□初期から進行期までの変形性関節症(あまり強く変形性進んでいると効果が低い可能性が高いです)
□なんらかの合併疾患があり、手術や薬物治療が受けられない人
□50歳未満など、人工関節を行うには若く、手術以外の治療がおすすめの場合
□自助努力(ダイエットや運動療法など)が可能な人(PRPだけでなく、運動療法を加えるとより効果的と考えられています。)

スポーツ外傷の場合
□長期間にわたり運動ができなくなることが見込まれる急性外傷
□何度も繰り返す再発性の高い外傷や障害
□他の保存的治療でなかなか効果が得られないもの
□外傷性関節炎や外傷性変形性関節症など炎症を伴うもの

などにおすすめです。

PRP療法についての注意


次の項目に一つでも当てはまる場合は治療を受けていただくことができません。
1 抗凝固剤を使用中の方:血小板の働きが抑えられてしまっている状態であり、PRP療法の効果が期待できません。
2 血小板減少症など出血性素因がある方:上記と同様です
3 貧血の方:血液の状態が悪いとPRP療法の効果が落ちる可能性があります。
4 重篤な感染症:
5 易感染性宿主(糖尿病、免疫不全、慢性腎不全、肝硬変の方)

PRP療法、実際の流れ

1 診察:これまでの症状の推移や治療の経過などを詳しく教えていただき(できればこれまでに受けた治療の内容や検査結果(レントゲンやMRIなどの画像)があるとスムーズに進みます)、PRP療法による効果が期待できるかを判断します。
2 採血:患者さん御自身の血液を腕の血管から注射針を接続した注射器で15ml採血します。 (一般的な採血と同じ方法です。)
3 遠心分離:これを院内にある遠心分離機にかけ、各成分を分離します。
遠心分離機にかけると各成分が比重により分離します。
特殊なキットを用いてPRPを取り出します。(約10分かかります)
4注射投与:患部(関節内や筋肉、腱、靭帯など)へPRPを注射します。

投与後の注意
注射当日の入浴はお控えください。(シャワー浴は可能です。)
注射後3~4日間は細胞の活発な代謝が行われますので、炎症を起こすことがありますが、その後自然に消失していきます。
注射後数日間は血流の良くなる活動(長時間の入浴やサウナ、激しい運動、飲酒など)はお控えください。
痛みを感じている間に安静にしすぎてしまうと注射部位が硬くなり、長期的な痛みのもとになる可能性があります。
指示されたリハビリテーションを合わせて行うことが重要です。

PRP療法についてよくあるご質問

1 治療には時間がかかりますか?
 採血後、遠心分離やPRPの抽出に約10分かかります。
 注射自体にかかる時間は5分程度です。
 超音波などで痛みの部位を確認し確実にその部位にPRPを投与します。
2 安全性はどうですか?
 ご自身の血液を採取し、清潔な状態で投与しますので、感染などのリスクは低いと考えます。
 当院で行うのは再生医療の第2種、第3種といった比較的安全性の高いものです。
3 副作用はありますか?
 ご自身の血液から作製するため免疫反応などの副反応はありません。
 採血に伴う痛みやその後の皮下出血、一般的な注射と同様に注射部位の感染や注射部位の痛み、PRP投与後の炎症反応などが起こりえます。
 詳しくは診察の際にお尋ねください。
4 いつから運動ができますか?
 注射部位によって異なりますが、注射後3~4日は細胞の活発な代謝が行われるため、激しい運動はお控えください。
 その後腫れや痛みがなければ通常通り運動を開始していただくことが可能です。
5 効果が出るまでにどれくらいの期間が必要ですか?
 即効性はありませんが、1週間から6か月程度で組織の修復が起こり、炎症が治まったり痛みが軽減したりする効果が見込めます。
 効果や持続時間については個人差があり、痛みが再発した場合に2度目の投与をお勧めする場合がございます。
6 年齢による制限はありますか?
 特に制限はございません。
 問題となる基礎疾患などがなければご高齢の方でもPRP療法を受けることが可能です。

©医療法人幸鷺会

文責・監修森 敦幸

(整形外科専門医・日本スポーツ協会公認ドクター)

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